
今回から実際にキットを制作しながらAFVモデルの制作の流れを解説していきたいと思います。今回制作する2号戦車A~C型というのは第二次大戦初期に活躍したドイツの戦車で、タミヤのキットは2008年7月に発売された最新の製品です。組み立ての部品数はそれほど多くなく当時のドイツ戦車はグレーの単色で塗られていたので複雑な迷彩模様で塗装する必要もありません。1/35の戦車模型の入門用としてお勧めのキットです。A~C型というには生産時期により区別されたA型からC型までを選んで作ることができますがシャーシ番号によって分けられるだけで外見上の違いはほとんどないということです。しかしC型は一部の部品が違うようです。説明書をよく読みながら制作を進めてください。

●組み立てに関してはさほど難しい箇所はないかと思いますが、初めて制作される方にはキャタピラの取り付けがネックになるかもしれません。このキットではいくつかのパーツを接着しながら車輪に装着する部分分割の方式がとられています。現在のタミヤ製品はこのタイプのものが多くなっています。

ここでまた「はじめてのキット選び3 (戦車模型編)」で解説したことと重なりますが、現在のキットのキャタピラ部品事情をちょっと解説してみたいと思います。初めて作るキットを選ぶ時に参考にしてください。
最近の戦車模型では組み立て易さよりもリアルさを優先して、海外のキットを中心にキャタピラを一コマ一コマ組んでいく連結式と呼ばれるものが多いです。上の写真は中国のメーカー「ドラゴン」社のパンサー戦車のパーツですが、一コマづつランナーから切り離しゲート処理をして組んでいきます。パーツ同士連結していきますがそのままではちょっと動かしただけで外れてしまいますので接着剤での接着が必要です。作り方のコツがあり両面テープでパーツを貼りながら連結します。そして流し込みタイプのプラモデル用接着剤で接合部を接着して接着剤が固まる前に両面テープごと転輪に巻き付け最後に両面テープを剥がします。
このようにこのタイプのキャタピラのキットは大変組み立てが面倒で慣れも必要です。いくら好きな戦車のキットが見つかったとしても初めて作るプラモデルではこのようなキットの選択はお勧めできません。

上の写真はベルト式と呼ばれる昔からあるタイプのキャタピラです。一カ所をつないで輪にして転輪に巻きつけるだけでかんたんにキャタピラを履かせることができます。昔のタイプは連結部に通したピンの頭を先を熱したドライバーの先で溶かして輪にする焼き止めタイプが主流ですが今はプラモデル用接着剤で接着してつなぐことができます。
写真上のベージュ色のキャタピラは連結式で紹介したパンサー戦車と同じくドラゴンの製品ですが最新の金型技術により連結式と同じような精密なデティールが再現されています。
ただこのベルト式はそのまま履かせただけでは転輪から浮いてしまったり、キャタピラの重さによる自然な垂れ下がり具合が表現できなのでひと手間加える必要があります。
今回のタミヤのキットののような部分連結のパーツは組み立て易さとリアルさのバランスを考えられたようなパーツだと思います。

●2号戦車の上箱の裏にはエッチングパーツとデカールが貼付けられていますので確認しておいてください。

●説明書の順番に従い作っていきます。戦車は転輪の数が多く大変ですが接地面のゲートやパーティングラインをきれいに整形してください。

●転輪の中には忘れないようにポリキャップを組込んでください。

●機動輪の裏の押し出しピン跡(丸いくぼみの部分)をペーパーで消していきます。

●サスペンションのパーティングラインも丁寧に削り取ります。

●機動輪、誘導輪基部、サスペンションを接着します。
次回に続きます。
戦車模型を作る。
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