スミ入れとは、模型のロボットや戦車、自動車、飛行機などのメカのハッチドアとのすき間、装甲板の合わせ目だとかの「パネルライン」や「スジボリ」と呼ばれる細い溝を黒などの濃い色で(本体の色が濃い場合は逆に明るい色と使うこともあります。)着色することです。要するに溝の中の影を模型で表現してスケール感や塗装のメリハリをつけるのが目的です。影を表現するわけですので本来は塗られている色の極めて濃い色(例えば赤で塗られた場所のパネルラインは赤に補色の青など混ぜて濃くした色) を塗るのが正しいかもしれませんが大変手間がかかるし、模型での表現ということで実際は黒や濃いグレーだけで表現する場合が多いです。
まず一般的な方法は薄めたエナメル系塗料を溝に流し込むという方法です。これは先回の「HGUCガンダムを作る」で解説していますので参考にしてください。

溝だけに塗料を溝に流し込むことは難しいので下の写真のようにはみ出した余分の塗料を拭き取る必要があります。

今まで綿棒は使って拭き取っていましたが最近ガイアノーツのフィニッシュマスターという製品を使ってみました。溝の塗料はしっかり残し余分な塗料をきれいに拭き取ってくれるスグレモノです。

●ガイアノーツ フィニッシュマスター
先端が発砲オレフィンという聞いた事がない素材ですが使い易く自分は大変気に入っています。

この方法で一つ問題なのはエナメル系塗料、溶剤はプラを劣化させる性質があり自分はまだ大きな被害を受けたことがありませんが、あちこちのブログでスミ入れしたら部品が割れたなどの報告が見られます。
対処法としては
●スミ入れする部品には直接溶剤がしみ込まないようにラッカー系塗料で塗装する。
●エナメル系溶剤を使わず油彩用のペトロールで代用する。プラを劣化させるという性質はこちらも同じですがエナメル系溶剤に比べるとマイルドだそうです。
写真はウィンザーアンドニュートンのペトロールです。
自分はスミ入れよりもウェザリング(戦車などの汚し塗装)目的でこれを使っています。

● ウィンザーアンドニュートン アーチスツホワイトスピリット
次に紹介するマーカータイプのスミ入れ用具を使う
実際余分に塗料を流しはみ出した部分を拭き取るという方法はかなり薄めた塗料を使う時や塗装していない部品にスミ入れする場合は良いですが、濃い色でしっかりスミ入れしたい時は、はみ出した塗料がシミになり塗装を汚してしまう場合があります。特にツヤ消しの白い部分のスミ入れは、はみ出した塗料を完全にきれいに拭き取るのは難しいです。こういった場合にもマーカータイプのスミ入れ用具を使用すると良いです。
ただしマーカータイプも拭き取りが必要なものがありますので注意が必要です。
●CGIクレオス ガンダムマーカー すじ彫り塗装用ブラック グレー
最も一般的なスミ入れ用マーカー、かなり濃く強い線が引けます。 油性インクではみ出した部分は消しゴムで修正できますが塗装した面にはみ出したインクはきれいに拭き取りは難しいので注意が必要。

●CGIクレオス ガンダムマーカー スミ入れふでペン
水性インクのスミ入れマーカーで写真のように先端が筆ペンになっています。細いラインにもインクが浸透しますが、あらかじめインクをはみ出させて拭き取りするタイプのペンです。商品説明には塗装面にも使用できるとありますが、明るい色の塗装面についたインクを完全に拭き取るのは難しいので注意が必要です。


●右側がガンダムマーカー すじ彫り塗装用ブラックでのスミ入れ、左がグレー、真ん中の星がガンダムマーカー スミ入れふでペンを使い余分なインクを拭き取ったものです。
●CGIクレオス スミ入れペン SHARP
一言で説明すると普通の0.3ミリのシャープペンシル。自分が制作した1/60ガンダムエクシアのスミ入れはほとんどこれでやりました。軽く一度だけスジボリをなぞれば薄く細い線が引け、力を入れて何度も引き直すとだんだん濃く太い線になるのは鉛筆としてはあたりまえのことですが、マーカータイプのペンよりも線の太さ、濃淡のコントロールがし易いというのがシャープペンシルでスミ入れする利点かと思います。はみ出した部分は消しゴムで消せますがこれも白色などの明るい色には跡が残るので注意してください。

●Too コピックモデラー スミ入れ用
販売元のTooはデザイン用品開発、販売の会社でコピックというマーカーは本来デザイナー、イラストレーターのための画材でしたが最近では模型用としても使われてきています。このマーカーは0.02ミリと表記されており超極細のマーカーでかなり細いスジボリでもインクがはみ出すことなく線が引けます。

今回ケロロロボはすべてこのマーカーでスミ入れしました。このマーカーはグレーもありますが控えめの濃さのグレーで明るい色の部分を控えめなスミ入れをしたいという方には最適かと思います。シールドの裏面をテスト用としてみましたので写真をご覧ください。


●文字まわりの細かい部分もコピックマーカーで描きました。
今まで紹介したスミ入れマーカー類は基本的には筆記具と同じものですので、プラ素材に描けるインクでしたら近所の文具店や100円ショップで購入できるものでも十分使用できると思います。
スミ入れする模型のスケールや色、場所などによりいろいろ使い分けてもよいかと思います。
ケロロロボ完成です。





次回からは車、飛行機、戦車などのスケールモデルを制作していきたいと思います。
↓ランキングにエントリーしています。ポチっとお願いします。
人気ブログランキングへ