エアーブラシでも使用時には原液でなく少々溶剤で薄めたほうが使い易いです。筆塗りの場合は原液で大丈夫です。

● タミヤとクレオスの水性アクリル塗料の原液を筆塗りしてみました。筆ムラも残らずきれいに塗れましたがクレオスのフラットブラック(つや消し)は少々ツヤが残ってしまって写真ではムラがあるように見えます。タミヤの方はきれいなつや消しになりました。
ラッカー系のところで紹介したガイアノーツからは徳用のアクリル系専用溶剤(タミヤ、クレオス用)も発売されていますので溶剤に関してもラッカー系と変わらないほど製品が出ています。ただ成分としては有機溶剤が含まれており、アクリル塗料の使用時にも換気と火気には注意してください。臭いはラッカー系ほど強い臭いではありませんが全く無臭というわけではありません。また裏ワザとして塗料の伸びの良くなるということでラッカー系の溶剤でアクリル塗料を希釈することもできます。自分もエアーブラシで吹き付ける時、アクリル塗料が吹き易いような気がして最近はラッカー系の溶剤を使うことが多くなりました。しかしこれはあくまで裏ワザということで基本は専用のアクリル系用溶剤です。初心者がいきなり最初からラッカー系溶剤を使ってというのはあまりおすすめできません。十分に塗料に慣れてから試してみてください。
さて水性アクリル塗料の弱点ですが、若干塗膜が弱いということがあります。スケールモデルではこの点はあまり気になるほどではありませんが、「ガンプラ」のようなキャラクターモデルは完成後ポーズを変えて遊んだり、武器を取り替えたりと傷が付くリスクが多少高いので注意が必要です。ただプラモデルの塗装はラッカー系塗料でもアクリル系でも爪で強く引っ掻いたりすれば必ず傷が付きます。完全に保護できる塗料はありません。そういう意味では弱点と言えるかどうか微妙なところですが、キャラクターモデルを塗装されている方はラッカー系を使用している方のほうが多いようです。
もうひとつの弱点として乾燥が遅いというのがありますがエアーブラシで薄く塗装する程度でしたら自分は全く気になりません。逆に乾燥が遅いということは筆ムラができにくいという長所でもあり、実際自分は筆塗りにはこのアクリル塗料を使っています。筆塗りでもツヤ消しの色でしたらあまり乾燥に時間はかかりません。ただ光沢の色を筆塗りするとかなり乾燥に時間がかかり乾いたと思って部品を触ると指紋の跡がついてしまうようなこともありますので注意してください。この点ラッカー系との使い分けも考えてみてはいかがでしょうか?しかし総合的には水性アクリル塗料は年少者からベテランまで手軽に安全に使用でき模型用塗料として十分な機能を持った塗料だと思います。