前回この「ラッカー系」の代表としてGSIクレオスの「Mr.カラー」を挙げましたが実は模型用塗料でのラッカー系というのは正式には「油性アクリル樹脂塗料」というもので一般のラッカー塗料とは成分が異なるものだそうです。
しかしこの「ラッカー系」塗料は模型ファンの間ではなじみが深く出戻りモデラーの方には「グンゼ産業Mr.カラー」もっと前の世代だと「レベルカラー」という名前のほうがしっくりくる方もいらっしゃるかと思います。
日本国内ではプラモデル用塗料として最も普及している製品で自分も大変お世話になっています。値段、入手のし易さ、短い乾燥時間、豊富な色数、強い塗膜といいことずくめの塗料のようですが、強いシンナー臭を発生することから家族やご近所からのブーイングで水性塗料に変えたという方も少なくないのではないでしょうか?過去にも子供が使用することが問題となり水溶性塗料が開発されたという経緯を聞いたことがあります。
しかし優れた模型用塗料というのは事実で、多くの方がこの塗料を使用しています。カーモデル、戦車、飛行機、艦船、ガンダムまで幅広くカバーしその他にメタルカラー、蛍光カラー、UVカットと種類も多種、多用で幅広い表現ができます。
使用に関しての注意ですがエアーブラシで使用する場合は必ず溶剤で薄めてください。そのまま原液を噴射するとクモの糸のような細かい糸くずのようなものが出てきます。この糸の用な物が出てくるのは塗料が濃すぎる証拠です。まず最初はハンドピース(塗料を吹き付ける道具)のカップに溶剤を入れ少しづつ塗料を入れて適正な濃度をつかんでください。筆塗りする場合でも若干薄めたほうが塗り易そうですがこの辺は個人の好みかと思います。そして部屋の換気と火気には十分ご注意ください。
乾燥後は塗膜が強いためガンダムのプラモデルのような完成後動かして遊んだりするような模型にも最適です。しかしいくら塗膜が強いと言っても間接の可動部のような部品が擦れ合う部分はかならず剥がれますので、そういう部分は部品をすり合わせて干渉する部分がないように加工してください。爪を立てたりしても傷になります。プラモデルに塗装したら絶対に傷がつかないという塗料はいまのところありません。

●メタルカラー、蛍光カラー、ガンダムカラーなど種類の多さも魅力のクレオスのラッカー系塗料。
さて、日本で入手できるラッカー系塗料はこの「Mr.カラー」だけではありません。最近自分が気に入って使っている塗料に「ガイアカラー」というものがあります。この「ガイアカラー」はガイアノーツ株式会社という会社の製品です。この会社は2004年創業というまだ新しい会社ですので「聞いた事がない」という方も多いかと思いますが精力的にプラモデル用塗料や塗装関連商品を企画、販売し着実にファンを増やしています。容量が10mlのMr.カラーに対して15mlのガイアカラー、値段も50円ほど高いですが十分満足できる設定です。このガイアカラーの特徴としてメーカーがうたっているのは隠ぺい力が強いという点です。つまり濃い色の上に薄い色を塗っても発色が良い、厚塗りしなくとも良い発色が得られるという点です。実際自分も使った感じこの「隠蔽力の強さ」という点を実感しました。もうひとつの利点として他のラッカー系塗料と互換性があるという点です。つまりクレオスのMr.カラーと混ぜ合わせることができますし、溶剤も共用することができるというのもポイントが高いです。また当時の色見本帳から正確に調色された零戦のカラーセット、ドイツ軍戦車の迷彩色セットも販売されていますので正確な色で塗装したいという方には心強い商品です。まだ色数がそれほど多くなく販売店も少ないなど発展途中の製品で
すが、ラッカー系塗料の選択肢が増えるという点でも今後楽しみな塗料です。

●ガイアノーツ 「ガイアカラー」
この他にも国内で販売されているラッカー系塗料が数種類ありますが、特定の分野に特化している塗料であったり、ごく一部の店でしか扱っていないなど、初心者の方を対象としたこの講座の趣旨とは合わないところがありますので今回は2種類の紹介で終わりたいと思います。